最大撮影倍率

Renewal up Date 21 / Apr / 2023

レンズ問題


 デジタイズ(Digitize・複写) するに当たって マクロレンズは必須。ズームレンズのマクロ機能もあるけど、寄り切れないことが・・・
 そこで気になるのは 最大撮影倍率  最短撮影距離 の関係
  
  最大撮影倍率 とは?
 簡単に言うとコピー機で拡大・縮小すること無く同じ大きさ 等倍 で撮影できるかの数値・指標。
 レンズの最大撮影倍率 1.0 とは、
 フィルム時代の名残りで例えば135サイズのフィルム撮影面積 36x24mm  と同じ大きさ(空間) 1:1 等倍 サイズで撮影出来る・近寄れる!と言うこと。
  
 最大撮影倍率の目安としては
 1.0 = 135サイズフィルムが画面いっぱいに写る
 0.5 ≒ 120・6x7サイズフィルムが画面いっぱいに写る
 0.375 ≒ 名刺サイズが画面いっぱいに写る
 0.25 = はがきサイズが画面いっぱいに写る

 また、フイルムサイズが変われば( 6x7 4x5 サイズなど )そのフイルム面積サイズが 等倍サイズ となる。

換算値


 今は、フイルムの時代と違い カメラメーカー・用途によって撮像子のサイズが何種類かある。

 135・フイルムサイズを継承する FX
 APS・フイルムサイズを継承する DX
 内視鏡で培われ、小型化された  マイクロフォーサーズ
 他にも、1億画素に向けた大型撮像子 など

 種類はいろいろとあるが、主たる事は、135サイズ 36 x 24 mm を 1.0(等倍)と定めた時、
 各々の素子に対して その換算値はいくつになるのか?

   135・FX   1.0
   APS・DX  x1.5~1.6
マイクロフォーザーズ x2(正確には x2.07)が、換算の値

 135フイルムサイズを等倍撮影するに当たって
 等倍率の意味と換算値が判っていれば先ずは安心。

 

基点位置 フランジバック


 最短撮影距離を語る上で、先ずは基点となる位置を確認
 黄色く丸で囲んだ φ この位置が基点
  
 カメラマウントからフイルム・撮像子・センサーの位置を示す記号で
 カメラ用語は フランジバック
 この位置はカメラメーカー・カメラの種類(一眼レフ・レンジファインダーなど)によって位置が違う。
 このマークはフイルムカメラ時代から存在している。
 この後説明する カメラディスタンス・ワークディスタンス を学ぶ上で重要となる  

カメラディスタンス・ワーキングディスタンス


 最短撮影距離 とは
 カメラ本体の撮像面から撮影対象物(被写体)までの距離
 専門用語では カメラディスタンス 

 レンズ面から撮影対象物(被写体)までの距離を
 ワーキングディスタンス と言う。

 この言葉は フォトマスター検定 での試験問題でも出る用語

 マクロレンズと言ってもカメラメーカー・レンズメーカーによって最短撮影距離・カメラディスタンスが違う。

 デジタイズの場合、重要視するのは レンズとの距離 ワーキングディスタンス 使用する複写装置・器具の選定になる。

 細かいことを言ってしまうと・・・

 Canon
  EF標準系FXマクロレンズの設定が無い
  100mmマクロレンズでのワーキングディスタンスは149mm
  ( MP-E65mm F2.8 は 特殊レンズなので別 )
  DX系マクロ EF-S60mm F2.8 マクロレンズでも、ワーキングディスタンスは 90mm必要。( ES-2 付属延長部品を使えば使用可能!)
  ミラーレスマクロレンズ 3種 ( 24・35・85mm ) も共に最大撮影倍率が 0.5 と等倍にはならない。

  シグマ 70mmマクロレンズでも 100mm位 とチト長め。
  

 FUJIFILM
  XF60mmF2.4 R Macro は
  最大撮影倍率が 0.5 ( FX換算 0.76) と等倍にはならない。

 Nikon
  FX・DX ともに標準系マクロレンズ + ES-2 を使用すれば等倍撮影が可能。
  AF-S DX Micro NIKKOR 40mmのワーキングディスタンスは 53mm位
  135サイズ等倍撮影にするには 85mm位の距離が必要
  AF-S Micro NIKKOR 60mm のワーキングディスタンスは 50mm位

 PENTAX
  smc PENTAX-D FA MACRO 50mm のワーキングディスタンスは 88mm位/FX ( ES-2 付属延長部品を使えば使用可能!)
  DXボディで135サイズ等倍撮影にするには 140mm位 の距離が必要

 OMSYSTEM / OLYMPUS
  M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro のワーキングディスタンスは 15mm位
  135サイズ等倍撮影にするには 60mm位の距離が必要

カメラディスタンス


 この画像で使用するレンズは

  OMSYSTEM / OLYMPUS
  M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro
  最短撮影距離・カメラディスタンス 95mm
  最大撮影倍率 1.25x

  撮影面から基点までの最短距離・カメラディスタンスは、 94mm位 


ワーキングディスタンス


  物差し 10mm の所に黄色い線を入れてみた。
 計算上、ワークディスタンスは 15mm
 レンズの先端は レンズボディ先端より数ミリ 中(奥)に入っている。
 ご覧の通り、フィルター先端と撮影対象物との距離は 数ミリ

 ちょっと大きめな 顕微鏡 と言ったところか?



 最短撮影距離で撮影した 曲尺 の画像

  マイクロフォーサーズ の撮像子のサイズが 17.4 x 13mm
  30mmマクロの最大撮影倍率が 1.25x なので
  計算すると 13.92 x 10.4mm
  Micro SD カード 15 x 11mm が 余裕でドアップ撮影出来る。

  マクロレンズでここまで近接できるのは、かなり特異なレンズと言える。

  135ハーフカメラ ( 24 x 17mm ・ 24x18mm)
  110 サイズ ( 17x 13mm )のデジタイズには充分対応できる。

  余談だが、このサイズでハイレゾ撮影したらちょっとした顕微鏡撮影となる。