DxO PureRAW4 を試す
up Date 29 / Aug / 2024
話は色々聞いていた
2023年夏のグループ展での話
A 1 サイズに伸ばされた夜の写真
撮影した人との話で、ISO12800 / Nikon Z9 で撮影した画像をDxO PureRAW3で現像・出力した作品と伺い
粒子荒れの無い、美しい画像に見入ってしまった。。
この時、自分は ISO12800 / OLYMPUS OM-D E-M1X で撮影した画像を OM SYSTEMOM Workspace の AI ノイズリダクションを使った
夜の写真を掲示していたが、ぞの画質には満足していなかった。
センサーの性能か ? ソフトウェアーの性能か ?
効果比較用にと、自分の撮影 RAW DATA を渡し、現像をお願いした。
違いは画面上で判るだろうと思うも、PureRAW3 と AI ノイズリダクションとの差を見いだすことは出来ずに1年。。。
今回、PureRAWと向き合う時間で出来たので、導入検討もかねて14日間の体験試用版で色々なテストを行ってみた。
プラグインでない独立したプログラム
入力画像は RAW ファイルのみ
RAW の画像形式は問われないが、Tiff Jpg 画像は受け付けない。
出力されるフォーマットは DNG Tiff JPG の3種類
解像力に特化したソフトウエアゆえ、他のことは何も出来ない。
様々な加工・調整には別のソフトを使用することになるけど
DxO PhotoLabを使用することで、画像編集・PureRAW機能と1つのソフトで完結出来る と書かれている。(まだ試していない。)
DNG はアドビシステムズ社が提唱する標準ファイル形式
また、Adobe Lightroom Classic CC 向けにプラグインを提供 とのことなので、
他のソフトを立ち上げることなく、全ての処理・加工を一つのソフトで出来る と、理解するが
Classic CC を使用していないので、詳しいことは不明。
他、Affinity Photo ・Capture One 等のサードパーティソフトウェアも勧めている。
デジタル化したフイルム画像でも効果があるか?
結論から先に言うと・・・ デジタル化したフイルムからも効果はある!!
ディーゼル機関車の正面部分のアップ画像の比較
フイルムサイズは 120ハイレゾ画像からの切り出し。
画像的に プラスの部分 と マイナスの部分 は、あるけど
機関車の数字は鮮明に
ヘッドマークの にじみ も薄らいでいる。
スノープロウの部分を見ると階調が上がっているせいか、黒つぶれ感が強い。
ここから先は、AIノイズリダクション の項で使用した画像を用いながら試行錯誤を進めていく。
先ずは彗星画像から。試行錯誤。。。
1997年3月 富士山の麓で撮影した ヘールボップ彗星
ISO 1600 ポジフイルム
AIノイズリダクション の項でも取り上げている画像を使っての比較
掲載の画像は RAW からの現像・加工無しの状態。
Digitize Master と AI - NR ( AI Noise Redaction ) との比較は難しいが
DxO PureRaw4との比較では、画面全体が赤倒れしているが彗星のガス廻りがハッキリした感じがする。
特に、右上に跳ね上がったガスの光跡が感じられる。
露出条件の厳しいネガ
次に、露出条件の厳しかったものとして、モノクロフイルム
こちらも AI ノイズリダクション の項で取り上げた画像
現像手順は、先にRAW画像をDxO PureRAW4で解像処理した画像をPhotoShopで反転処理
トーンカーブで同じ仕上がりになる様、調節を行った。
2004年11月 中国・集通鉄路・熱水 にて撮影した旅客列車
ISO 3200 モノクロフイルム
DxO PureRAW4で解像した Jpg 画像をPhotoShopで反転・調整・モノクロ化
大きな違いは、暗部ノイズが黒くなったこと。
導光板現象 と思われる 四隅の 白化ノイズ も綺麗になっている。
牽引する機関車は、蒸気機関車 棚引く煙が車両後方まで
後背の山並み・雪景色も見やすくなっていた。
使えるなぁ~ と、思った瞬間
モノクロ画像をもう1枚
BALB系・低照度フイルムのデジタル化_モノクロフイルム の項で使用した画像を使って実験。
左側の画像は BALB系低照度フイルムのデジタル化_モノクロ で使用している画像
右側の画像はDxO PureRAW4で解像した Jpg 画像をPhotoShopで反転・調整・モノクロ化
撮影した日は 満月・朧月(おぼろづき)
雲の感じは 左側画像 なのだけど、朧月の輝きは弱い。
また、淵廻りの白化・ホワイトノイズを押さえ込めなかった。
代わりに、列車と桜のライティング具合は良い感じとなっている。
まあ、コレはコレで良いと思っていたし、グループ展の展示にも使っていた。
右側画像 DxO PureRAW4で現像、出力された Jpg 画像をネガポジ反転処理・調整した画像。
調整しきれなかった 黒締まり が、一発で決まる。
朧月も明るく雲の感じも良い。
ライトアップされた桜と、列車は飛び気味となったが暗闇からの浮き上がりはイメージ通り。
列車ヘッドライトビームも強く残されている。
左右どちらの画像が好みか? 意見は分かれると思うけど、自分が作りたかった画は右
Jpg 画像からの再加工とはいえ、ここまで表現できるとは思わなかった。
!! 想定外 !!
ことの流れで、ネガフイルムも試してみたところ、想定外の結果が現れた。
現像処理したところで見た目は何も変わらない。
取り合えず、使い慣れている OM Workspaceで Jpg 画像を開き、トーンカーブで画像反転
1980 年 ( 撮影時期不明 ) 上野駅16・17番ホーム
ネガフイルム
左のDigitize MASTERはOM Workspaceを使い、ネガフイルムのスキャン手順にて現像・調整した画
右のDxO PureRAW4はPureRAW4で解像処理後、OM Workspaceを使い、トーンカーブの調整を駆使した画 ( Jpg からの再加工)
一番の違いは 発色
次に見てほしいのは、四隅の白ノイズ
40 年以上前のフイルムゆえ、左 の画 は色調褪色(黄色っぽい感じ)が出ているが
右 の 画 は、かなり押さえ込まれている。
理由は良く判らない。
カメラによる違い
カメラによる画質効果の違いはあるのか?
画質テスト で用いた画像を基に検討していく。
画質テストで使用した EOS KISS DIGITAL Nikon D40 Nikon S7000 の3機種は JPG 画像のみの機種の為今回はお休み。
1段目・4段目画像は JPG 画像
2・3 段目は RAW からのPureRAW4現像画像
明らかな画質改善
その代わり、画像の 階調・色調 が少し変わる。エッジが目立つ画像もあった。
RAW 画像があれば、昔撮影した画像でも画質改善が得られる。
デジタイズ画像で画質改善が得られることは、普通に撮影したデジタル画像でも きれい になると言うこと。
問題も ある。。。
最初、何の音か判らなかった。今まで聞いたことのない音・・・
ガジェットの GPU メーターの温度計が85 ℃ を指していた。
100MB クラスの RAW 画像を扱うと 温度アラーム が発動する。
しかも GPU はフルパワー状態が約 65 ~ 87 Sec 続く
20MB クラスの RAW も Jpg のみの出力なら問題ない ( 20 ~ 25 Sec ) けど
フルパワー状態が 70 Sec を超えた辺りから 温度アラーム が発動する。
OM Workspaceで AI ノイズリダクション使用時に GPU を使用するが、100MBクラスのハイレゾ画像での稼働時間は 20 ~ 30 Sec
瞬間的にはフルパワーになるけど連続使用していても、温度は 70℃ 迄は行かないし アラームも鳴らない。
DxO の使用環境推奨を見ると・・・
Windows 推奨要件:NVIDIA RTX™ 2080、AMD Radeon™ RX 670(8 GB の VRAM)
使用している GPU が非力なのか?? ( GeForce GTX 1650 ) 放熱が上手くないのか?
できる対策としては、使用時に持ち歩き用携帯扇風機を強で回し、パソコンの通風口に当て 強制換気 をすることで辛うじて 80 度以下をキープ
1 画像毎に、GPU 温度が下がるのを待って、次の画像を処理している。
課題も ある。。。
独立した ソフト・プログラムを 2 回使うこと。
リサイズの為ならまだしも、上質な Jpg Tiff 画像を再び加工することに抵抗がある。
ソフトを渡り歩くことで、画が精彩になるのなら良いのだが、画のダメージの方が気になるし、ビット階調が替わるのも気になる。
デジタイズの場合、画像の現状に合わせて様々な調整を行っていく。
中でも、ポジ・ネガフィルムの手数は多岐に亘る。
気持ちとしては、1つのソフトで完結したい。
ただ、このような独立ソフトを使用・勉強することによって出来ること・表現することの楽しさが広がっていく。
他にもソフト・プログラムがあるので、折を見て試していきたい。