診察室

Renewal up Date 21 / Apr / 2023


 ブローニフィルム(120)を用いた複写テスト

 気になる性能・画質で用いた画像のブローニ版を使用。

 所有する全てのカメラにマクロ専用レンズの持ち合わせが無い
 ズームレンズのマクロで寄れるところがブローニーフィルムだったのでブローニサイズでの・性能比較。

 比較性能するカメラは
  Canon EOS Kiss(初代)+ EF17-40 F4L USM
        PENTAX K5 + DA17-70 F4L SDM
         Niko D40 + 18-55 F3.5-5.6GII ED
         Nikon COOLPIX S7000
  OLYMPUS PM-D E-M5II + M.ZUIKO DIGITAL 30mm MACRO F3.5

  それと、EPSON GT-X970

 画素サイズは Canon EOS Kiss が 650万画素 (6.5M)
        Nikon D40 が 610万画素 (6.1M)
  スキャナーは16Mサイズ相当の画像サイズ
  ほかは、1600画素 (16M Size) に統一

  古いカメラがありますが、違い・変遷が判るかと思い、敢えて使用。
  興味・結果は如何なる物か!?



 フイルムをデジタイズするに当たってピント精度はもちろんのこと、
 フイルムの反りや歪みに対してレンズの被写界深度は何処まで対応できるか?
 また、レンズ性能との兼ね合いは? 細かいところを考えてみました。




  何となく判っているような・判っていないような・・・
 
  1200dpi でスキャン・2400dpi でスキャンなどスキャニング専門会社などで良く目にする表記
  金額もお手頃で適度な色補正まで行ってくれるなど便利な部分もあるのだけど
  この dpi ってなに ??


何Mサイズで残すべきか??


  カメラ・レンズ・印刷技術の向上によりA1サイズは普通に出力できる。
  目安としては画素数x1.2 ~ 1.3 倍
  1600万画素なら長辺 2M サイズ ( 例:ベッドサイズぐらいの大きさ )
  3600画素なら長辺 4 ~ 4.5 M位までは余裕で伸びる。
  例えるなら部屋の 4.5 畳 サイズの出力は問題ないでしょう。

  ちなみに135フィルムをハイレゾモード (60M) でデジカメデュープし
  A1サイズへの出力には、画像破綻すること無く荒れること無く余裕で仕上がった。

  当然、フィルム原版が大きければ大きいサイズで残したいのも理解できる。
  ただ、画像サイズが大きすぎるとPCの処理能力・ハードディスクの容量に限界・支障を来す事を考慮すると 6000 ~ 8000 万画素 (60 ~ 80M )辺りで充分かと?

  はっきりと言えることは いくら高解像で残しても、ピンぼけは直らない。


-- 技術革新 --


 何年か前(2019年頃)のはなし

  出力(プリント)は原版に対してまだ30%程度しか反映されていない と、伺ったことがある。
  カメラ高画質に対して出力側の方がついて行けてないらしい。
  技術革新によって救われたものもある。
  デジタル創世記( 2002 ~ 2007 年 ) 頃に撮影された610万画素の jpg 画像が
  A 1 サイズ ( 900 x 600 mm ) の出力に破綻すること無く(ブロックノイズも無く)
  また、2000 万画素で 1600 x 1200 mm サイズの出力にも全く問題ないことを写真展等を介して直に見ている。
  
  ハイレゾデジタイズ撮影が全てという訳では無い
  TPOに併せて使い方を選択していけば良い。


ホコリとの戦い


  フィルムクリーナーなるものもあるが完璧とはいかない。
  かと言って、白手袋でぬぐい去るのも気が引ける。

  電柱部分のホコリであれば、ソフトできれいに消し去ることが出来るが、場所によっては仇となることもある。
  
  この手の問題はスキャナー時代から続く話だけど最後はソフト・画面上で取り除くしかない。




  相反則不軌 って、もう死語の世界?

  20代で知っている人がどれだけいらっしゃるか?
  
  一般的に30秒以上の露出 (BALB) 撮影を行うと
  フィルム乳剤のバランスが崩れフィルム感度の低下や発色不良を発生させるというもの。
  そうはいっても、普通に5分程度のBALB撮影は行っていた。
  そんな傑作・秀作の取り込みには手間暇かけて面倒見ないと。。。


  モノクロなんて 粒子が荒れてナンボのものよ! と、当時の苦労を粒子が語る生き証人。

  足りない露出は手焼き追い焼きで渾身の一枚を作り上げ観者を魅了し続けられてきた写真の数々。

  フィルム内に潜在する情報を取捨選択し、如何にして画像化するか?
  ネガ読みなんて一朝一夕に出来る代物でないしなぁ。。。

  手焼きの時のような技には遠く及ばないけど
  画像全体に発生する粒子荒れは歓迎
  画面端に現れるような粒子荒れは勘弁




  基本的には カメラのホワイトバランス・色温度設定は
  AWD (オート) て゛支障は無い

  ただ、いろいろと試す毎に 新しい発見がある。
  長年、デジタルの色味に関して一抹の不信感を抱いていた AWD との関係
  Daylight Film の色温度設定は 5500k 不変なフィルム色温度に AWD はどう答えてくれるか?

  所詮はフィルム屋の戯言に過ぎないが、
  発色の特徴・好み、地域や季節によってはフィルムの種類を変えてみたりとカメラ・レンズは変われど フィルムは変わらず の 発色至上主義
  フィルム全体に掛かる微妙な色合い・モーメントカラー、フイルムならではの独特な色合い など忠実に取り込むにはどうするか?  


診察室

  
  1990 年代は普通に 水銀灯 があった。
  水銀灯の緑を抑えるには FL-Wフィルター と言うちょっと紫がかったフィルターをあてがえば適切な色表現が得られた。

  だが、現場に出ると撮影に夢中になり、フィルターをつけ忘れたりはたまた持って行くのを忘れたり。。。
  ま、緑が出たって当時その場の雰囲気が醸し出されていてそれはそれで良いところもある。

  ただ、欲を言えば少し緑を抑えたい。ラボにプリント発注すれば、大抵プリンター(焼き手)の方で適度な色調整が行われていた。
  その色調整を現像ソフトで調整していく。。。



  何度も言うが、フィルムの経年劣化・退色、は避けることが出来ない。
  ただし、保存状態によっては劣化・退色を早めることも遅らすことも出来る。
  ネガファイルのチェック中に 酢酸臭 がしていたら要注意!。

  んで、今回取り上げたるネガフィルム。
  錆びた(赤茶けた)状況となっており、状態としてはかなり悪い。
  
  結果は散々たるものに。。。



  ハイレゾ撮影した画像の切り出し
  等倍 サイズの部分画像。
  駅名板の文字がかろうじて読め? そう・・?
  
  撮影距離 約300M まさか! の画質が・・・



  ハイレゾ撮影の 実物 を用意。
  ポジフィルム画像 2枚 と ネガ画像 1枚

  百聞は一見にしかず

  モノクロフィルム・ネガフィルムは 色出し・画像調整に手間暇掛かるけど、蘇る過去の画像を見るのは楽しい。