気になる性能・画質

Renewal up Date 21 / Apr / 2023

種の保存


 フィルムをデジタル処理することによって、常識を覆すサイズの引延ばしに耐える画像を得られる時代が来た。
  
 Kodak が Nikon のボディを借りて開発したデジタルカメラ DCS100 を発表してから30年超
 カメラの性能をはじめ、レンズ性能・印刷技術・紙の品質など、直近10年の技術革新はめざましい。
  
 ただ、フィルムをカメラで複写する違和感はあるわけで 半信半疑の中、試写を行った。

  Master Data
  Nikon FA Ai300mm F4.5
        1 / 500 f5.6
  Kodak EPP
  19 / Jan / 1991


コンパクトデジタル COOLPIX S7000 Nikon


  Nilon COOLPIX S7000
  16 M jpg
  ISO 200 AWD
  Light COMMET C-OLUS MAX100% Light
  PENTAX DUPLICATER

 コンパクトデジタル 通称:コンデジ による複写

 セッティングの関係で微妙に右左の高さが違うけど歪むこと無く、縦横まっすぐ。
 正直なとこ冗談半分、結果は求めていなかった実験だったがどうしてどうして、なかなかの性能を発揮。
 何となく中心部が明るい感じで色彩は少し強め。

 右側画像は列車ヘッドマークの拡大画像。 北斗 と何とか読める程度。

 間に合わせで使う程度なら充分な感じ。


GT-X970 EPSON SCANNER


  EPSON GT-X970 
  FLATPET SCANNER
  16 M サイズ相当でスキャンjpg

 原版忠実なスキャニング。先頭部分の微妙な陰影もしっかりとトレース。
 何となく眠い画像は、ヘッドマークの拡大画像からも見て取れる。
 
 使い始め当初は原版忠実・そのまま保存していたが、慣れるに従いついつい、プリントレベルまでに仕上げてしまったり Tiff 画像にしてクオリティを上げて見たりと結局作り込んでのスキャニング・・・その分手間と時間も掛かっていた。。。


OLYMPUS OM-D E-5II


  OLYMPUS OM-D E-M5II
  16 M jpg
  ISO 200 AWD
  PICTURE MODE FLAT
  Lens M.ZUIKO DIGITAL 30mmF3.5
            ( Macro Lens )
  Light COMMET C-PLUS MAX100% Light
  PENTAX DUPLICATER


 列車正面の陰影が無くなりのっぺりに青かぶりの陰影がない分すっきりとした感はあるけど・・・ただ、
 像はガッチがちに仕上がった。
 RAW画像も気になるけど、ここでの目的は jpg 画像出たまま での比較。

 比較して判ったことは、微妙な陰影が苦手?と言うか、補正されてしまったこと。
 照明のの出力を変えてみたりしたけど、EV値の変動ばかりでよく判らなかった。
 Nikon ES-2 + C-PLUS 10% Light で複写した画像とも比較したけど結果に大差は無かった。
 使い勝手で言えば Nikon ES-2 の方が扱いやすいので現在は ES-2 でデジタイズを行っている。

 正直なとこ、比較しなければコレでOK~♪な感じもする。


OLYMPUS OM-D E-M5II Hight Resolution


  OLYMPUS OM-D E-M5II
  40M-Hight Resolitionjpg
       (RAW FILE = 60M)
  ISO 200 AWD
  PICTURE MODE FLAT
  Lens M.ZUIKO DIGITAL 30mmF3.5
            ( Macro Lens )
  Light COMMET C-PLUS MAX100% Light
  PENTAX DUPLICATER

  Hight Resolition ( ハイレゾ ) とは同じ画像を8コマ撮影し、合成・高画質化させた画像。

 この程度のサイズで見たところで16Mモードjpgとの違いを感じることは出来ない。
  
 ただヘッドマークの拡大画像の画質が何かザラつく・・・?
 よく見ると、フイルム粒子のツブツブ・・・フイルムの粒子を拾っていた事が判明。
 まるで電子顕微鏡の拡大画像を覗いているみたいな。。。

 ちなみに jpg 画像で  17.4MB
 Raw Data で 約100MB
 tiff 変換すると  180MB近く デカイ


実験結果


  16M(1600万画素・ 4608 x 3456 )サイズと
  ハイレゾJPG40M(HR-40M)サイズの jpg 画像比較

 16MサイズだとベタでだいたいA3サイズなので感覚的にはA0サイズ相当のトリミング比較画像。

  COOLPIX S7000
 予想外だったコンデジ画像、  
 画像としてはしっかりと 破綻 しているがヘッドマークの 星7つ はその存在を確認できる。
 明らかに及第点なのだけど、普段使いには支障ないかと。

  GT-X970 SCANNER 
 2Lのダイレクトプリントをビュワーで見ていたときとそう大差を感じていなかった。
 まぁこんなもんかぁ~ っと今まで見ていた。

  OM-D E-M5II 
 スキャナーとは明らかに違う・・・スキャナーでは取り切ることが出来なかった薄皮一枚のモヤが取り払われ、すっきりと。
 フイルムの粒子レベルまで移し込むとはかなりの驚き。
  
  E-M5II の16Mと40M解像度比較
 高解像度にする と、言うよりは 大画面で取り込む 感じか?拡大された倍率は違うが、比べる限り粒子が目立つ・・・
 つまり、135サイズのフイルム解像能力限界までデジタル記録が成されている。
 135サイズではこれ以上の高画質は望めない証となる。
 また、ハイレゾ記録することによって 全紙サイズが限界 と言われていた135サイズが
 A1・A0サイズまで引き延ばせる画像 を得られたのは確か。

 実際の話、写真展でも行わない限り全紙(A2)サイズ以上引き延ばすことは無いが、
 過去にグループ展にてデジタル化したネガフイルム・モノクロフイルムをA2サイズで展示した際、
 粒子荒れなど気になることは無かった。


  思うに、ハイレゾ技術は
  例えば 電子顕微鏡・内視鏡 などの病変等組織拡大画像、警察の 鑑識作業 などにも威力を発揮するものと考える。


  また、診察室 に120サイズでの比較画像もあるのでそちらの方もご高覧賜りたい。