絞りと被写界深度

Renewal up Date 21 / Apr / 2023

レンズのポテンシャルを発揮させる


 同じ絞りでも撮像子の大きさ(面積)によってピント範囲・被写界深度が違う。
 撮像子が大きいとピント範囲が浅くなり、小さいと深く(広く)なる。
 撮像子の小さいカメラで撮影するとボケが弱く感じるのは、この被写界深度に起因するもの。



  画像は F5.6 被写体距離 約11cm(カメラディスタンス)400 の数字に前後する目盛り幅は 約1mm
 マイクロフォーサーズカメラ + 30 mmマクロレンズで撮影(FX換算 約 60 mm相当)

 FXサイズのカメラで同じ被写界深度を得ようとすると F11
 DXサイズで F8 前後の絞りが必要かと。

 一般的に言われる事例としてレンズの開放F値に対して1~2絞り程度絞った辺りがレンズの持つ能力・ポテンシャルの最大値、
 最小絞りに近づくに従い回折の影響を問われていく。


 

実証見聞

  
 Olympus ( OM SYSTEM )30mmマクロレンズの組成評価は
  
   中央解像力はF3.5~F11まで優れている。
   回折の影響を受けるがF16でも非常に良好
   F22は、まずまずの結果。
   隅の解像力は同等とはいかないが、
   F3.5~F16まで非常に良好。
   倍率色収差は中央でゼロに近い数値
   隅でも1ピクセル未満に抑えられている
   歪曲はー0.01%と実質ゼロに近い数値
   逆光耐性は優れている
   非常に明るい光源でさえコントラストの低下や
   ゴーストの発生はない。

  出典元:ePHOTOzine/ 2017年10月8日
         とるなら~写真道楽道中記~

  画像は Olympus HP よりお借りしました。

  と、デジタイズには申し分ない評価がある。



 135サイズフィルムの被写体距離は14 ~ 14.5 cm
 120(ブローニ)サイズで 21 ~ 22 cm

 万が一のピント精度、フイルムの反り・歪み等を考えると
 135 サイズで 前後 1 mm (± 1 mm)
 120 サイズで 前後 2 mm (± 2 mm) 位の被写界深度が欲しいところ。

 上の表は メーカーHPよりから抜粋した 30mm Macro の被写体距離とF値(絞り)被写界深度の関係をまとめたもの。

 この表から F5.6 であれば、135120 フイルムサイズのデジタイズに必要な被写界深度が得られる。
 また、このレンズの開放F値が F3.5 なので 理論と理屈に見合う環境(実効F値とか、超ムズカシイ話は別にして・・・)が整うことになる。そして ハイレゾモードを使用することで、緻密で高画質画像を得られる点からも、その実用性に問題は無いかと。

 何か色々と、とってつけた感アリアリですが使って試して調べた結果 がコレでした。
 もっと厳密に言うならば、フイルムの記録面は 表面で無く裏面 よってデジタイズするには裏から撮影すべき! との考えもありますが、フイルムベース面の厚みはだいたい 0.10 ~ 0.15 mm充分被写界深度の範囲内にあり、かつデジタイズされた画像にフイルムの粒子まで描写されている状況から、そこまで神経質にならなくても良いもの と判断しています。