ネガフイルムのスキャン(応用編)

Renewal up Date 21 / Apr / 2023

オレンジベース画像を登録する


 ネガポジ反転作業をするにあたり、途中までの工程を登録し、効率アップを図ります。

 ネガフイルムのスキャン(基礎編)では、オレンジベースの拾いやすいコマを使っていましたが、実際のコマはフイルムキャリアフレームに余白が無いのでオレンジベースを拾い上げることが出来ません。また、作業の度オレンジベースを探すのは面倒な作業となります。
 そこで、フイルムの未露光部分を使って ネガポジ反転処理・手順 を、現像ソフトに 手順登録 しておきます。

 ここでは OM SYSTEM / OLYMPUS  Workspace で登録する手順を説明します。

 先ずは、ネガフイルムの 未露光部分 をカメラ撮影します。
 使う画像は .ORI もしくは .ORF の拡張子のあるものを使います。



 ホワイトバランス ⇒ グレー点指定

 グレー点をチェックした後 スポイトマーク を選択。
 スポイトマークが オレンジ色黄色 に変化します



 カーソルを画像面に移すとマウスポインターが
 スポイトマークに変わっていますので
 そのまま オレンジベース面上でマウスを左クリック します。



オレンジベースが  グレーベース  に変化します。



トーンカーブ ⇒ チャンネル選択 ⇒ RGB

  次に トーンカーブ を操作します。

  チャンネル選択で RGBトーンカーブ の 赤い線

  左下 から 右上 に向けて斜めに引かれている赤線
  左上 から 右下 へと、逆向きにする。

  やり方としては
  左上の数字 255 → 
  左下の数字  → 255  と、数字を入れ替える。



 上の画像はトーンカーブ数値入れ替え前

 下の画像は入れ替え後

 グレー部分には変化はありませんが
 外枠が 黒 ⇒ 白 に変化 しています。
  



手順を登録


  いま行っていた ネガポジ反転作業の手順 

  ホワイトバランス ⇒ グレー点指定
  トーンカーブ ⇒ チャンネル選択 ⇒ RGB

  2項目の作業をソフト右下 赤丸〇黄丸〇 で囲んだ 
  左側の SET 1 (編集設定) に登録。



 ここでは判りやすいよう ネガポジ変換 として登録。


使ってみる


 次に、ネガポジ反転させる画像を選択・画面に表示します。



  先程登録した 1 をソフト右下角にある右側のSET
  赤丸〇 内の SET1 (編集設定) をクリック します。


手順書呼び出し


  先程手順登録した 
  
  ホワイトバランス ⇒ グレー点指定
  トーンカーブ ⇒ RGB
  
  が、出てくるので 赤丸〇  貼り付け ボタンをクリックします。


 モヤがかかった白っぽい画像が現れます。


 


 トーンカーブを操作して画像を削り出します。



 生成された画像の縁回りを切り取り 画が完成 
  
 Master Data Nikon FA + 70-210mm F4
        1/500 f4.5
        Kodak CL-200
        2/Jan/1984
        山手貨物線(現・埼京線) 目白駅



 この項で紹介した現像方法は
  オレンジベースを画面いっぱいな状態で取り扱っていますが場合によっては、右の画のようなフイルム状況もあると思います。。。
  このネガフィルム3枚の断片は 同時期に購入したメーカー・ISOも同じフィルム。
  3断片とも 別々にネガポジ反転登録 したあと同じコマを ネガポジ反転・現像 を行いました。

  よく見れば、微妙に色が違いますが、だからと言って、どれがどれとも言いがたく。。。

  色合いは微調整できる範囲にあります。



 また、ネガフィルムのオレンジベースは
  メーカー・年代・ISO感度によってオレンジの色が微妙に違います。

  右の画像は、フイルム毎にネガの色・反転後の色をまとめたもの

  ネガポジ反転サンプルは 一つ作れば良い 感じはあります。

  ただ反転後のオレンジ色を見ると結構色が違っておりこの色違いが、反転後のネガ画像に微妙な影響を与えていました。
  対策としては、ネガ毎にオレンジベースを取り直したり、何種類かオレンジベースを登録しておき、色々と試しながら趣に合う色出しを探求できます。

  RAW画像あればこそ の、なせる技。