限界への挑戦

up Date 16 / Aug / 2023

記憶から記録へ


フイルムのデジタル化 デジタルカメラを使ったフイルム複写は撮像子に対する限界への挑戦でもある。



 目の前にある不変なものを如何に・忠実に再現出来るか?
 フイルムに当てる光量の強さは適切か?
 強すぎると繊細なディテールが飛び、弱すぎると埋もれてしまう。
 光源・色温度は適切か?
 このフイルムに特別な対応は必要か?
        例えば 露出補正は?
        複写の色温度はAUTO? マニュアル設定?
        カビ・ホコリは?
 複写するに当たり、その手数は少ないに越したことは無いが
 思い入れ強いフイルムに関しては念入りに調整を施していく。

 最適と思われる状況を作り出し、撮像子に能力最大の仕事をお願いする。
 黒つぶれした潜像・白飛びの雲など見えていなくてもカメラの撮像子はフイルムが記録するすべてを写し撮るべく最善を尽くす。。。
 その結果は現像ソフトを介してあらわになっていく。

 複写ゆえ、扱えるフイルムサイズの限界もある。
   135サイズはOK
   120サイズも 6x45 6x6 6x7 サイズまではデジタイズアダプターを介してお手軽に。
   6x8 6x9 サイズとなると、知る限りで1発撮影できる複写装置は1機種、少し面倒
   6x18サイズは横長すぎて両端までピントが行き渡るか?? 複写機器は存在せず。
   4x5サイズは 一応装置はあるけどかなり高価 クイックロードのような薄いフイルムベースの平滑性を担保出来るか否か?
   上手くいかない場合はライトBOXに直置き、四方押さえ、外光を遮り複写台へと。。。とサイズが大きくなるほど手間が必要。

 フイルムは財産であり、未来へと残していくもの。
 しかし、劣化・褪色は防ぐことは出来ず、いずれ破棄されることとなろう。

 だからと言って、デジタルカメラ+マクロレンズによる複写・デジタイズが100%良いともいえない。
 デジタルは劣化しない分、一瞬でその内容を失う怖さもある。 
 ただ、個人レベルで出来る最高の複写技術であることははっきりと言える。

 そしてこの作業は他人がやるものでは無い。その原版の持つ意味は撮影者本人しか知り得ない記憶の塊。
 記憶を記録に変え・残すのは撮影者の健康なうち・意欲あるうちに行うものだと考える。
 昔あのとき・楽しんだ・大変だった記憶。

 撮影メモも添えられればその有用性も引き立つはず。手間暇を惜しまず残してほしい。。。